皆様はアシダカグモという生物をご存知だろうか...
もちろん皆様アシダカグモ程度ご存知であろうこと疑いなどないわたくしめでありますが、知らない方のために軽くご紹介にあずからせていただくとしましょう。
アシダカグモという生物を紹介する上で欠かせない最大の特徴は、なんといってもそのスピード...
マッハ1か..マッハ2か...そのくらいは軽く出ているだろうこと想像に難くなく、かつその体は毛むくじゃらで腕は8本、オスのアシダカグモは口の横に2本の生殖器を持ち、アジア東端の島国に住む人々は「夜のクモは親でも殺せ」という伝承を残すほどに恐れおののく始末であります....
が!!
今回はそんな恐ろしい生物の繁殖に成功いたしましたのでご報告にあずかりたくそうろう!
これは捕獲したときの様子だよ!だいたい足幅3~4cmといったところでしょうか。ここから飼育をスタートしました。
エサはレッドローチやミルワームだけど、ミルワームはクモの牙がはじかれやすいためか狩りを失敗することがあるので、なるべくレッドローチをあげる方が確実です。
そして飼育しはじめてから数か月たった8月のある日ついに性差があらわれはじめたよ!
アシダカグモの雌雄はからだの模様と色によって判断できますが、クモはそもそも羽もないしつのもないから成体なのか幼体なのかが見わけにくい...性差が表れたら、次は難関の交尾をさせていきます。
ペアリングをミスすると最悪の場合共食いしてしまう
肉食生物飼育あるあるですが、繁殖時期や発情期をしっかり調べてからペアリングをしないと共食いしてしまう可能性があるのでペアリングのタイミングは詳しく調べてからやりましょう!私の場合性差が表れたからもう交尾できるだろうと安易にアシダカグモのペアリングに挑戦しましたが、オスがメスに攻撃され交尾どころではありませんでした...いろいろとググってみると、どうもアシダカグモの交尾時期は4~7月くらいっぽいことがわかったので、その季節が来るのを待つことにし、一度冬をまたぎ気温25度を超えた初夏に雄と雌を同じケージにいれてみました。
オスがメスの上におおいかぶさり、口の横にある生殖椀をメスの受容器に何度も当てています、2時間ほどで交尾は終わり胸をなでおろしたのもつかの間...
オスがメスに食われた... メス蜘蛛は産卵にむけ本格的に獰猛に...
卵をかかえたまま3週間弱、ある日観察してみると卵を食べているではありませんか!!!
急いで卵袋を母蜘蛛から奪い中身を確認。すると中でいくつかの卵からカビが生えているのを確認!
母蜘蛛が卵を食べてしまった原因は、抱卵中のケージの湿度が低く育卵に適さない環境で3分の1ほどの卵が卵袋の中で腐ってしまっていたために、残りの卵が腐る前に栄養源として腹に戻し次の産卵に控えようとしていたと推測しております。母強し...
なんとか救出したまだ自立すらできない2ミリほどの幼体をティッシュで作ったゆりかごへ移動させてあげました。
ティッシュを湿らせて作ったゆりかごの中で順調に脱皮を繰り返し、なんとか数匹が狩りをするまでに成長!
そのころ母蜘蛛は2回目の産卵、
そして次は前回の反省を活かしケージ内の湿度をほぼ100%に。
乾燥を避ける設備にした結果、大量のアシダカベイビーたちが産まれました!!
生まれたての幼虫はショウジョウバエをえさにすることである程度まで育てることは可能そうです!大きくなったら順にローチへ移行させていけば成体まで飼育できそうですね!
書いてる人のプロフィール
名前:黒山有(PN)
クモの産卵は足掛け1年半の長期飼育になり、アシダカグモはなかなか飼い手のあるむしということがわかりこれから先の2世代目飼育にもやる気がほとばしる次第でありますですございます。